”ワンテラス”様より「保護犬を迎えてよかったことを教えてください」と取材をいただきました。
うーん、なんだろうな?
やっぱり ”かわいい” かな。
うん、かわいい。
そして、毎日の暮らしが楽しくなりました。
保護犬だから可哀そう……とか思う方もいるかもしれないけれど、普通のわんこと同じです。
多分、犬と暮らしている方は皆さん同じだと思いますが、「うちの子一番」ですね!
考え始めたらとても250文字では収まりそうにないし、迎え入れた後3か月までしか記録「つつじろぐ」を残していなかったので、まずはブログに書いてみることにしました。
これから保護犬を迎えようと考えている方の参考になれば嬉しいです。
保護犬を迎えて気づいたこと
写真 2015.9 家に来てすぐの頃
つつじは繁殖ブリーダー崩壊施設からのレスキュー犬。
ワンダフルドッグスさんに保護されたのは2015年8月6日、わが家に迎えたのは9月23日なので、2年9か月一緒に過ごしました。
写真 2015.10 半月経過後
昔の写真を見るとよくわかるのですが、今と比べて表情が全然違い、笑顔の写真が全くありません。どことなくこちらの様子をうかがっているような感じです。
性格の違いはあると思いますが、私の知っている保護犬の子はビビりで臆病な子が多いかな。
保護犬にもいろいろ事情がある
ひとくちに”保護犬”と言っても、つつじのように《ブリーダー崩壊施設からのレスキュー犬》もいれば、《繁殖犬引退》《震災で一緒に暮らせなくなった》《飼い主が亡くなった》《子供が犬アレルギーで飼えなくなった》など、いろんな事情があります。
2016.1 親戚のわんこみんな保護犬
黒ラブは元飼い主からの虐待犬、ヨークシャテリアは繁殖犬としてたくさん子どもを産んだあと11歳で保護されました。黒ラブはこんなに大きいのにすぐにハウスに隠れます。
つつじがうちに来た時に、上から頭をなでようとしたらひどく怯えました。
一緒に保護された姉妹犬は声帯を切られていましたし、つつじもほとんど吠えないので、もしかすると虐待もあったかもしれません。
いろんな事情はありますが、保護犬の子たちは家族の一員としてふつうに生活することができます。
保護犬を迎え入れて苦労したこと
2017.1 ご飯の時はこうやって待ってます
家に来たときに多少トイレの失敗はありましたが、すでに成犬だったのでしつけには苦労しませんでした。
実家でゴールデンを飼っていた時はとてもやんちゃで、ぬいぐるみやスリッパ、クッションを喰いちぎってボロボロにしたりしてましたが、つつじは全くありませんでした。
おやつがほしい時には自分で「おやつを入れるボール」を持ってきますし、外でおしっこがしたいときには、ちょいちょいと私の脚に手をかけて教えてくれます。
私は家で仕事をしているので、留守の時以外は家の中(おしっこシート)ではしません。
吠えないし、いたずらしないし、おしっこも失敗しないし、意思の疎通もできるので、つつじのしつけで苦労したことは思い当たりませんね。
依存心が強い
ただ、私への依存心が強く、常に視線を感じます。そして今でもトイレやお風呂にもついてきて、入浴中は脱衣所でずっと待っています。
以前ほどではありませんが、留守にするとまだ不安なのか家族がいても落ち着かないようです。
楽しい飲み会の帰り、夫からずっと玄関前で待ってると写真が… pic.twitter.com/5avQheXx80
— いちみ (@yokattanet) 2018年5月19日
Twitterの写真元がこれ。
夫がすぐそばにいるのに玄関を見て待っているそうで、これではつつじはもちろん、チーム留守番にも申し訳なくて。
ちょっと近所のスーパーに行っただけでも、こうして帰りを待っているそうなので、気になるのはお留守番がうまくできないことでしょうか。
これでは腰が悪くなってしまうためソファーを変えて今はこれ。置物みたい。
かなり遠くから撮影した一部分なのでぼけていますが、つい先日はこんな風に外を見て待っていました。
トレーナーさんに相談したところ、
- 留守にするときに声をかけずにそっと出かける
- 帰ってきたときに声をかけて興奮させない
と、アドバイスをいただきした。
こんな風に待たれると「つつじさーん!」と思わず抱きしめたくなりますが、今は声をかけないように気を付けています。
犬は単独で生きる生き物ではないため、長時間の孤独に耐えることができないそうです。
犬の1時間はヒトの4時間、6時間のお留守番はヒトの体感で24時間待つことになるので、それを考えると留守番させるのも辛いですね。
ワンダフルドッグスさんとの譲渡の際、「留守番を6時間以上させない」という条件がありましたが、こういうことなんですよね。
お出かけが好き
おでかけ用のバッグを玄関に置くと、よいしょと自分から入りますし、息子の塾の送迎でも車にも乗りこみます。お出かけが好き……というか、おいて行かれるのが嫌な感じ?
なので、連れて行けるところには、ほとんど一緒に連れていくことが多く、家族で食事をするときもペット可のお店を選ぶことが多くなりました。
今では犬連れ横浜、鎌倉、江ノ島のお店の記事もかなり増え、多くの愛犬家さんにも見ていただけるようになりました。「ブログを見て保護犬を迎えました」とのご連絡もいただくようになり、本当にありがたいことです。
梅雨時におでかけできないので「つまらなそう」なのは、小さい子と同じですね。
シェルターに戻されてしまう子の問題行動
せっかく里親が見つかっても、その後保護施設(シェルター)に戻されてしまうわんこもいます。
- 破壊行動
- 不適切な排泄行動
- ハイパーアクティブ行動
- 分離不安
- 人や動物に対する攻撃行動
- 家庭のルールを守らない
- 逃避
- 恐怖反応行動
- 無駄吠え
- 食糞
施設に戻される犬のうち、1週間以内に返されるのは34%、2週間以内は20%。一番多い理由が、先住犬との相性の不一致だそうですが、2週目~4週目はその子の問題行動が原因になることが多いのだそうです。
※Lord(2008年)調査参考
保護犬を迎えるにあたり事前にしっておいてほしいこと
2018.6 ソファーに座るとすぐ隣にやってきます。
保護犬もほかのわんこと同じなので特別に扱う必要はありませんが、虐待犬の場合は心に傷を負っている子も多いので、焦らずにゆっくりと接するのがよいのかもしれません。
保護犬の里親になる場合はほとんどの子が成犬です。
ペットショップからのパピーちゃんを迎え入れるのと違い、
- 小さい頃のかわいい姿を見ることができない
- 避妊しているので子どもが産めない
- 子どもの頃に十分な食事をとっていないので、今後病気になる可能性もある。
など、正直こんな点もあります。
大好きなスイートポテトが焼けるのを楽しみに待っているところ。
夫はつつじを大変かわいがっているので、
「つっちゃんの赤ちゃん、見たかったなぁ」
と、まるで娘のように私に言います。
心の傷が深くて人に全くなつかない、排泄を失敗ばかりする、病気があった、……など迎えてから気づくこともあるでしょう。
「保護犬がかわいそうだから」という気持ちはもちろん大切ですが、「繁殖犬」「飼育放棄」「虐待」など過去に悲惨な経験をしている子が多いため、保護される前にどんな環境だったのかも理解して迎えてあげてくださいね。
犬の里親になるためには
保護犬を探す方法
- 近くの保健所から引き取る
- 保護団体から引き取る
- 保護犬カフェから引き取る
- 飼主を探している個人から引き取る
今はインターネットですぐに探すことができますが、「子犬譲ります」とSNSや掲示板で募集して、相手の個人情報を抜くだけの方もいるので十分注意してください。
私は「ワンダフルドッグス」という団体さんから譲っていただきましたが、きっかけは「ぺっとのおうち」という里親募集情報サイトでした。
私がサイトを初めて見た日がつつじが掲載された日だったのでご縁があったのだと思います。
応募してくる人の中には、保護犬を「転売」したり、「子どもを産ませる」人もいるそうです。一度飼い主を失った子たちに同じ思いはさせたくないという願いから、保護団体の方の審査が厳しいのは仕方がないことなのです。
もし、家に犬を迎えようと考えているときに、家族を待っている子の「里親」という選択があることを思い出してもらえたら嬉しいです。
そして世の中にはボランティアで犬たちを保護している団体の方がたくさんいることも知っていただけるといいな。
レスキュー犬について知りたい方は、こちらの記事に詳しく書かれています。(閲覧注意)
▪「ある犬のおはなし」をみて犬の殺処分について考えてみてください。
どうぞよい出会いがありますように。
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