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歯周病による全身麻酔下でのスケーリング(歯石除去)の記録

去年前歯が2本抜けて様子をみていましたが、抜けた隣の前歯もグラグラで今にも抜けそう。

今回は「歯科」もあり、高度な外科手術も行っている大きな動物病院に連れて行きました。

歯周病が進行していたので「全身麻酔でスケーリング(歯石除去)」をすることに。

犬の全身麻酔による死亡リスクは0.1%※くらいと説明をうけたものの、私も初めてなので不安でドキドキ。※心臓病など既往症のない子の場合

施術後のきれいな歯

汚くてあきらめていた歯が真っ白に!
生臭かった口のにおいも全くなくなりました。

歯石や歯垢を取るだけでなく、グラグラな6本を抜歯、歯周ポケットも麻酔下で治療。

表面上のクリーニングなら無麻酔の歯石除去もありますが、つつじのように歯周病が進行しているわんちゃんだと悩ましいですよね。

かかった費用は術前検査を合わせて68,167円。今回は治療なのでアニコムのペット保険が対象になり、実質負担額は36,095円で済みました。(※デンタルケア予防のスケーリングは保険対象外なので病院で確認してください)

「全身麻酔の歯石除去」をするかどうか考えている方のために、当日の様子やかかった費用などを記録しておきます。

歯周病進行防止のスケーリング治療の流れ

以前抜けたすぐ横の前歯(犬歯ではない)が破折し、ブラブラとしていたので病院へ。

口の中を診察したところ、歯周病が酷いので後日スケーリング(歯石除去)をすることになりました。

グラグラな歯は無理やり抜くと血が出て痛いので、自然に抜けるのを待ち、抜けなければスケーリング時に抜歯することに。

全身麻酔を受けるための準備

表面の汚れを取る無麻酔治療※もありますが、歯周病ポケットの治療は痛みも伴い、動くと危ないので動物病院では麻酔下でおこなわれているそうです。※麻酔・無麻酔どちらがよいのかは最後にまとめたのでここでは割愛。

いきなり麻酔をするわけではなく、既往症がなく麻酔をしても問題ないか詳しく調べます。

全身麻酔のための術前検査

全身麻酔をするため、身体検査、血液検査、超音波検査などをしてこの日は終了。

検査結果に問題があった場合は、麻酔をかける前にその治療を優先するそうです。

デンタルケア予防のスケーリングは保険の対象外ですが、つつじは進行している歯周病のための治療なので保険対象になりました。

アニコムを契約して5年以上たちますが、ずっと元気だったので今回が初使用。もちろん保険は使わないに越したことはありませんけどね。

麻酔治療を行うための事前検査なので、この日の検査費用も保険対象です。

事前検査費用

診断名:歯および口膣の疾患・歯周病・歯肉炎(乳菌遺残に起因するものを含む)

検査料

  • 初診料 1,200円
  • 身体検査 1,600円
  • 採血料 600円
  • 完全血球算定検査 3,800円
  • 血液検査(検査センター送付) 5,500円
  • X線検査 4,800円
  • X線検査(1枚追加)1,600円
  • 処方箋 600円
  • 内服薬 1,260円

合計 24,024円

保険負担額 10,000円(アニコム50%)
自己負担額 14,024円

施術3日前から内服薬(抗生剤)

抗生剤

歯周病の進行が進んでいるため、施術日の3日前から抗生剤を朝晩処方。錠剤なのでささみに挟んで与えましたが、お薬だけ「ぺっ」と吐き出す器用さ。

犬のお薬の飲ませ方と投薬用トリーツ【ピルバディナチュラルズ】
歯周病の治療でスケーリングをするのに、術前術後で1週間「抗生剤」を与えました。とても小さな錠剤ですがおやつに混ぜても「ペッッ」と薬だけ吐き出す器用さ。 ごはん(ドッグフード)に混ぜてしまうと今後ごはんを警戒して食べなくなる子もいるので、別に...

手術・麻酔同意書にサイン

全身麻酔はリスクがあることを先生から詳しく説明があり、施術前に手術・麻酔同意書にサインをして当日持参。

朝ごはんはなし

胃の中に残っていると逆流性食道炎や誤嚥を生じるリスクがあるため、前日の24時以降は食事(固形物)を控えます

お水、スープや術前用フードなどの液状のものはOKなので、つつじの好きな成犬用のミルクだけを与えました。

ごはんLOVEな子なので「なぜ朝ごはんがないのか」と私の顔をずっとガン見されて辛い。

施術当日の様子

朝、不安そうなつつじさん

なにかを察したのか病院の前でブルブルと小刻みに震えるつつじ。抱っこしている間もずっと震えていてかわいそうでした。

全身麻酔下で行われた歯科治療の内容

  1. 口膣内検査
  2. 歯石除去(スケーリング)
  3. 歯周病ポケットのケア(ルートプレーニング)
  4. 歯面研磨(ポリッシング)
  5. 歯周外科(抜歯)
  6. 洗浄

スケーリングその他費用

  • 診察料(問診) 600円
  • 身体検査料(2か月以内)1,200円
  • 静脈カルーテル留置 2,200円
  • 抗生剤注射(セファゾリン)880円
  • 鎮痛剤注射(レペタン)1,600円
  • 消炎・鎮痛剤注射 1,600円
  • 気管挿管 2,800円
  • 全身麻酔 11,000円
  • 静脈点滴 1,650円
  • 歯石除去・超音波スケーリング 7,500円
  • 歯周処置(ルートプレーニング)2,200円
  • 歯周処置(ポリッシング処置)3,300円
  • 抜歯:G1(簡易)3,600円

合計 44,143円

保険負担額 22,072円(アニコム50%)
自己負担額 22,247円

治療にかかった時間

抜いた6本の歯

グラグラな歯を6本抜きました。

奥歯はほとんど触らせてくれないので私も気づかなかったけれど、かなりぐらぐらしていたそうです。

9時に預けて帰宅、10時30分に先生から電話で術後の説明がありました。

点滴で麻酔後、ブラブラしていた前歯2本、下の前歯2本、奥歯上下2本、合計6本を抜歯。(電話の時点で)目が覚めていますがこのまま様子を見るので午後検診が始まる15時にお迎えに来てくださいとのこと。

施術にかかった時間は1時間程度でしょうか。つつじの歯はすでにグラグラしていたので、抜歯も早かったみたい。

15時を待ちきれずに早めに病院へ。

先生に抱っこされている姿を見てホッとしました。

帰宅後の様子

帰宅後は麻酔がきれないのかぼんやり

帰宅後、目の焦点が合っていない感じ。

起きていても元気がなく、何も食べずにずっと寝ていました。

18時30分頃、少しお散歩(排泄)。

カロリー2倍の犬用チュール

病院で買ったカロリー2倍の「エネルギーチュール」を食べ、食欲が刺激されたのかいつものご飯も完食。

日中ほど”うつろ”ではないけど、ずっと元気がありません。私がリビングから出たときに起き上がって追いかけてくる以外はほとんど寝ていました。

全身麻酔のスケーリングをして思うこと

麻酔歯科治療翌日もだるそう

翌日は雨のため排泄だけの短い散歩。

朝ごはんは普通に完食。まだ”だるい”のか静かに寝ています。早く元気になっておくれ。

※翌々日にはいつも通りになりました。

歯周病の治療は歯垢や歯石を除去するだけでなく、歯周ポケットのクリーニングもします。実はこの歯周ポケットのケアがとても大切だと先生に教えてもらいました。

麻酔・無麻酔どちらがよいのか

麻酔は犬の体に負担がかかるから無麻酔治療がいいという先生もいるし、歯周ポケットも処置できず無意味の上、動物にも恐怖と歯へのダメージを与えるから無麻酔を反対する病院もあります。

お医者さんでも意見がわかれるくらいだから、「麻酔VS無麻酔」どちらがよいのかなど飼い主にはわかるはずありませんよね。

日本獣医学会の見解がこちら

獣医師やトリマー、動物看護士などが、無麻酔で見えるところの歯石除去を行った場合に、除去時あるいは除去後に多数のトラブルが発生しており、中には顎の骨の骨折や歯を折ってしまうなど重篤な障害もみられています。
一般には,口腔内の清浄化を行う処置は“歯石取り”などと言われ,爪切りと同じように扱われていることもありますが,正しくは,歯面や歯周ポケット内に蓄積された歯垢や歯石を除去し,再付着を防ぐための歯面研磨までの一連の処置で,歯周病の発生予防や進行防止を目的として行われます。このため、歯面の清掃と同時に、歯周ポケットの有無の確認やレントゲンによる歯周炎の進行度の診断、ポケット内清掃が重要とされます
日本小動物歯科研究会では,なぜ予防歯科処置が全身麻酔下でトレーニングを受けた獣医師がすべき処置であるのか,また,なぜ無麻酔での歯石除去が良くないかについて統一見解を発表しております。無麻酔下での治療を日本獣医学会ではすすめていません。 無麻酔下の治療について

麻酔下での歯科治療を受けてよかった

治療してここがよかった

  • 汚れていた歯が白くなった
  • 口臭がなくなった
  • 口まわりの毛が変色しない

一番の変化はお口のにおい。

生臭いと息子たちに嫌がられていましたが、治療後は全く臭くなくなりました。また、白いマズルが茶色く変色しなくなりました。食後にいくら口を拭いてもダメだったのに、唾液の影響なんでしょうか。

表面をきれいにするクリーニングなら無麻酔でもよいのでしょうが、つつじはかなり歯周病が進行していたので、このタイミングで治せてよかったと思っています。

麻酔に対する不安はもちろんありましたが、担当の先生が詳しく説明してくれて信頼できたのも踏み切れた理由です。

歯周病が進行すると歯が抜けてしまうし、保険を使ったとはいえ36,095円(保険なしの場合68,167円)もかかりました。

犬も痛いし、飼い主の懐も痛いので、お口が臭いなと思ったら歯周病を疑って、早めに適切な治療をして進行を防げるといいですね。

歯の治療は歯周病を伴う病気以外にも、「ひづめ」や「大きな骨」「プラスチック製の硬いおもちゃ」、また「ケージ」を噛んで歯が割れたりかけたりすることもあるそうです。

全身麻酔を伴う治療は避けて通れるならもちろん行わないのがベストな選択でしょう。どうぞつつじのようにならにように歯のケアをしてあげてくださいね。

\歯周病初期の記録はこちら/
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