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【ペットの悩み】高齢化問題と過剰繁殖に伴う生体の在庫処分ビジネス

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今週の『東洋経済』みんなペットに悩んでいるは、ペットの高齢化の特集でした。

私のまわりにも10歳以上の犬や猫を飼っている人はたくさんいます。

犬の11才は、人間の年齢にすると65~75才。

東洋経済の特集ページには、「10歳~15歳のシニア犬の飼育数推移というグラフ」が載っており、2016、17年でペットの高齢化がピークを迎える と、とても興味深い内容が書いてありました。

犬の高齢化問題

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(東洋経済:第5の家族をめぐる不安)

シニア犬は、2002年ころは約150万匹だったのが、2016年にはおよそ2倍の300万匹を超えて、今後は少しずつ減少していくというデータです。

それにはちゃんと理由があって、アイフルの可愛らしいチワワのCMが放送されたり、浅田真央ちゃんが愛犬トイプードルの「エアロ」ちゃんをテレビで紹介したのが、ちょうど2002年頃。そのあまりの可愛らしさから「小型犬ブーム」が始まりました。

そして、その子たちが今、高齢を迎えているのだそうです。

病気や認知症、介護の話など、決して人間だけの問題ではありませんね。

昔実家で飼っていたゴールデンレトリバーは、透析を受けに通院していましたし、ご近所でも病院通いの子たちがいます。

できるだけ長生きしてほしいという願いとは裏腹に、莫大な医療費がかかるという現実問題がありますが、今のペット保険では既往症は支払い対象外、高齢犬はお断りというところがほとんどで、解決にはなりません。

あまりにシニア犬が増えたので、ペット保険会社も支払い過多になってしまい、その対策として保険料をあげたり、条件を厳しくしないと運営が危険な状態なんだとか。

病気になってしまい高額な治療を受けられないため、やむを得ず保健所に持ち込まれる子も多いのだそうですよ。

悲しい現実ですね。

ペット業界の闇が生む『引取り屋』

今回の東洋経済の特集の中で、一番ショッキングだったのが『引取り屋』の存在です。

■引き取り屋とは
ペットショップなどの流通過程で売れ残った子犬子猫や、繁殖場で繁殖能力が衰えた犬を、1匹あたり数千円~数万円程度の費用を受取り引き取るビジネス。
売れる犬は自分の店で転売、繁殖可能な犬は子犬を産ませ販売する。
平成25年9月に施行された改正動物愛護法により、行政は終生飼養の原則に反し、引取りを求める相当の事由がないと認められる場合は、業者等からの犬猫の引取りを拒否できることになったため、ペット業界は引取り屋に頼っているのが現状。
一方でそれでも売れ残る、又は繁殖にも使えない犬猫は、ケージの中に入れられたまま、給餌や掃除の世話などされない状態で置かれる。

過剰生産が生み出すビジネス『引取り屋』より

犬のブームの裏で、ペットショップで売れ残ったり、劣悪な繁殖ブリーダーが過剰に産ませて生まれてきた、先天性疾患や奇形、身体的異常な犬たちを、最終的に引き取る『引取り屋』がいるというから驚きました。

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(東洋経済:引取り屋の写真)

雑誌用でしょうか、これはまだきれい。

実際にはこんな感じでしょう(※閲覧注意)
「劣悪 犬 積み上げられたケージ」の画像

つつじも同じ外の養鶏場のようなところにいたそうなので、読んでいて涙が出てきたわ。

左下の舌がベローンとでているわんこ、ワンドクさんでもよく見かけますが、骨格が違いすぎる犬同士の無理な掛け合わせや、繁殖行為をたくさんさせすぎるとこのようになってしまうことも多いのだそうです。

女優杉本彩さんと作家の佐藤優さんの対談「犬や猫の殺処分と、ペット業界の問題」は、是非読んでいただきたい記事。

「ペット業界の闇は風俗と同じ」というような厳しいことが書かれています。

杉本さんは、公益財団法人動物環境・福祉協会Evaの理事長として、動物の保護活動を積極的に行い、犬や猫の「生体展示販売」反対運動を行われています。

杉本彩さんのブログ にも対談の様子が紹介されていますので、是非読んでみてくださいね。

◆本はこちら

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